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「 脊髄性筋萎縮症の患者登録システムーSMARTコンソーシアム 」

  担当医師への説明書

 


1.目的

近年、脊髄性筋萎縮症に関する研究は、原因となる遺伝子の機能解析などと共に進んでおり、新しい治 療法が開発され、様々の治験の成果により、実臨床における使用が始まっております。稀少疾患である脊髄性筋萎縮症において、治験を円滑に進める目的にて、SMARTコンソーシアムの患者登録は2012年より開始いたしました。
お蔭様で、多くの患者さんの登録をしていただき、3種類の疾患修飾治療薬の治験が成功いたしました。

この度、SMAの克服を目指した研究開発の機構として、SMAと診断された方、治療をお受けになっている方、新生児スクリーニング等により診断された方にご登録いただき、SMAの症状の軽減化や発症抑制を目的として、難病プラットフォームと連携した患者登録システム「SMARTコンソーシアム」をリニューアルすることとなりました。
患者さんの数が少ない脊髄性筋萎縮症のような稀少疾患においては、患者さんの経過や治療による変化は、治療法開発において大変に重要です。この登録システムでは、SMAに関して、倫理的に かつ個人情報に問題のない形で患者さんの情報を登録して頂くことで、SMAの実際を理解し、新たな治療法の開発につなげることも目指します。


2. 登録する情報の内容について

この登録システムでは、患者さんの連絡先や身体状況、日常診療で行われている検査結果、新生児スクリーニング検査の有無、遺伝子診断を受けて判明している 遺伝子変異、治療の内容、等について、SMARTコンソーシアムに登録していただきます。この登録システムでは情報の登録は患者さん自身の自由意志に基づいて行っていただきます。
ただし、登録内容には、検査データなど患者さんだけでは正確に記載することが困難な内容も含まれます。担当の先生には、お手数をおかけいたしますが、臨床情報登録書(主治医記入版)のご記入と同意書へのご署名をお願いいたします。初回の登録の際には遺伝子検査結果のコピーが必要になりますので、患者さんがお持ちでない場合にはお渡し下さい。また、記入内容について不明な点があった場合には、SMARTコンソーシアム事務局から、ご連絡させていただくことがあります。


3 . 登録の方法について

この登録システムは、脊髄性筋萎縮症と診断されている患者さんを対象といたします。原則として患者さんの手で、SMARTコンソーシアム事務局に必要書類一式をお送りいただくことで行われます。したがって、先生方には、患者さんがお持ち頂いた臨床情報登録書(主治医記入版)記入と、同意書へのご署名をお願いいたします。


4 . 登録実施における危険性、不利益について

患者さんの臨床情報を収集する研究ですので、患者さん自身に対する身体的な危険性はありません。本登録システムが必要とする情報は、正確な診断についての情報と臨床情報であり、このために特別な危険性や不利益を患者さんに生じさせることは無いと考えています。 ご登録いただく患者さんの情報は、遺伝子解析結果を含む個人情報ですので、厳重に管理いたします。登録情報が公開される場合には、いかなる場合であっても、それぞれの患者さんを特定できるような情報を公開することはありません。

担当医の皆様には、お忙しい診療の中で、SMARTコンソーシアム登録に必要な臨床情報提供など、お手数をおかけすることは大変心苦しいのですが、本登録システムの主旨と意義をご理解のうえ、ご協力賜わりますようお願いいたします。


5 . この研究に登録された情報について

登録情報を分析し、脊髄性筋萎縮症の臨床病態の解析、治療の有効性・安全性の分析を行います。個人情報が 特定されないように配慮したうえで、学術的な場での公表を行います。個人情報が特定されないように配慮したうえで、国際的な患者登録ネットワークへ情報が登録される場合があります。
治験が計画された場合には、ホームページ等を通じて患者さんに情報提供をすることがあります。また、希望された場合には、治験の対象となる可能性のある患者さんに直接お知らせすることがあります。


6 . 費用負担、研究資金などについて

本登録システムは、日本小児神経学会共同研究推進委員会「新生児スクリーニングにて発見された小児を含む脊髄性筋萎縮症(SMA)の患者登録システムの構築と SMA 臨床病態の解明」として承認いただいております。また、本登録システムの運営にかかる費用は、主に厚生労働省難治性疾患政策研究事業研究費、こども家庭科学研究費補助金、および(株)21世紀メディカル研究所ゲノムファンド活用プログラム2021の寄付金によって賄われるため、本登録システムの登録に対する費用はかかりません。
しかし、登録に必要な書類の入手、患者登録用紙に記入する際の医師への受診、登録用紙の郵送費用などは患者さんのご負担となります。なお、申し訳ありませんが、臨床情報登録書記載のための情報提供に対する特別な費用請求はできませんので、通常の保険診療と同様にお取り扱いいただきますようお願いいたします。


7 . 倫理委員会申請状況

「神経変性疾患領域の基盤的調査レジストリー研究」として、京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院医の倫理委員会で中央倫理審査を受けて(承認番号:R3398学外)、本研究の共同研究機関長(学校法人東京女子医科大学理事長)の許可を得て実施されます」(実施許可番号:C22-007、2022年5月16日付)。


8 .研究責任者と連絡先(相談窓口)

この研究について、不明な点がありましたら、以下の研究責任者におたずねください。

【研究責任者】
齋藤加代子
東京女子医科大学ゲノム診療科・特任教授

【連絡先】
東京女子医科大学ゲノム診療科 SMARTコンソーシアム事務局
住 所:東京都新宿区河田町8-1
E-mail:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。